狂犬病の予防接種はなぜ必要か?|死亡率100%恐怖
春になると狂犬病の予防接種が始まります。
自治体の保健所や学校の場所を借りて行う集団接種か、
各自が動物病院に行って受けるか、ですが、
もう済ませられましたか?
日本での狂犬病は1957以降発症が確認されていない。ということで、
そのせいか狂犬病の予防意識が低下しつつあるとの懸念があります。
厚生労働省のデータで狂犬病予防注射の接種率が発表されています。
平成28年のデータでは、全国平均で71%の接種率。
71%って・・・。
これでいいんでしょうか?
しかもこのデータの分母にあたる頭数は
市町村に登録されている頭数です。
保健所への飼い犬の登録は、
最初に狂犬病予防接種を受けに行くと同時にされますね。
犬を飼い始めても、一度も狂犬病予防接種を受けていないと、
保健所には登録すらされていないケースも有るということです。
想像ではありますが、
登録頭数以外にも飼われている犬はいるとすると、
分母はもっと大きくなるので、接種率はさらに低くなるはずです。
この時点で、飼い主の義務だとかの話を書きたいところですが、
ぐっと抑えて、
まずは狂犬病とはどういう病気なのかを紹介します。
狂犬病とは...
日本での発症は無くなったという狂犬病ですが、
海外ではまだまだ発症のある感染症です。
人ももちろん、すべての哺乳類に感染します。
発症すれば死亡率100%です。
ここに、
なぜ狂犬病の予防注射がずっと続けられているか?
その理由を知ることができるでしょう。
◆感染経路は感染した動物に咬まれることで、
唾液に含まれるウィルスが傷口から体内に入り発症します。
アジアでは、猫、アライグマ、コウモリ、キツネ、マングースなどが、
犬以外の感染源になっています。
(人から人への感染はありません)
◆発症すると、有効な治療法がありません。
(人では感染後すぐにワクチンを連続投与すると発症を抑えることができる)
潜伏期間は、一般的には1ヶ月~3ヶ月とされていますが、
1年や2年後に発症する例もあったようです。
潜伏期間中に感染の診断はできません。
狂犬病は日本国内での発症こそありませんが、
何年か前、海外渡航の際に感染したと見られる男性が、
帰国後死亡した例があったのを記憶しています。
ほぼ60年間、国内での狂犬病の症例がないので、
実際に狂犬病の診察を経験した獣医師はほとんどいないのも事実。
もしも、その症状を見ても狂犬病と診断できるのか?と、
不安視する声もあります。
犬を飼う人の義務
ここでやっぱり言いたいのが「飼い主の義務」です。
犬の登録と狂犬病予防注射は法律で定められています。
犬を飼うには、飼い主としての責任が発生しますし、
飼う以上それ相当の手間やお金が必要です。
狂犬病なんてどうせ罹らないでしょ。とか、
お金がもったいない。とか言うのはおかしいです。
狂犬病は発症すれば死亡率100% です。
狂犬病の恐ろしさをみんながもっと知って、
予防注射を必ず受けて頂きたいと願っています。